| 三村 雄輔 | 医学博士 臨床検査科長 臨床研究部生理生化学研究室長 |
臨床検査科は正木技師長を含め、9名の臨床検査技師により運営され、迅速かつ正確さをモットーに生化学、生理、病理、細菌検査、そして輸血一元管理業務を行っています。技師長は日本超音波検査学会評議員でもあり、当センターの超音波検査の充実に取り組んでおります。生化学検査は24時間体制で検体提出後30分以内に結果を出すことが可能です。病理検査では肺癌、悪性中皮腫の労災補償、石綿健康被害救済制度で必要とされるアスベスト小体計数検査も行っており、生理検査では慢性呼吸器疾患診断のための肺機能測定(肺拡散能力、残気量検査を含む)や気道過敏性検査、また睡眠時無呼吸検査も行っています。結核の診断にはPCRを毎日、更にクオンティフェロン検査を行っています。
私は山口大学医学部卒業後生化学を専攻し、過去11年間は主に英国オックスフォード大学で免疫グロブリンIgGの糖鎖の役割、主要組織適合抗原MHCクラスIIによる抗原提示と腫瘍免疫について研究してきました。また鳥インフルエンザウイルス(H5N1株)やヒト免疫不全ウイルスHIVに関する米国スクリプス研究所との共同研究を通して新しい治療法の開発に携わってきました。糖鎖はどの研究にも関わっていたキーワードです。糖鎖は遺伝子によってコードされず、構造は多様性に富んでいるため研究対象として容易ではないものの、近年癌をはじめ多くの疾患、また抗体医薬で臨床的意義が解明されています。ポストゲノムの一分野としてグライコミクスはますます重要さを増しています。
ヒトゲノムプロジェクト完了に加え、近年のDNA配列決定技術の進歩により患者様の遺伝情報を網羅的に調べることが現実になろうとしています。疾患予防の根拠が遺伝情報に基づく事になれば、今後新たに多数の臨床検査が開発・実用化される事でしょう。この臨床検査医学の新しい時代の到来に備えて臨床検査科は臨床研究部と共に勉強会主催、学会発表を通して、最先端の医学を吸収し、最新の設備と幅広いニーズに答えるべく日々精進しています。どうぞ臨床検査科をよろしくお願い致します。